Column
院長コラム
脚のむくみについて~整形外科以外の病気が隠れているかも~
2025年08月25日
みなさまこんにちは。院長コラムの更新、久しぶりになってしまいました。前回は梅雨入り前に書かせて頂きましたが、もう8月も終わりです。というのに、今年も非常に暑い日がまだまだ続くようです。皆様夏休みは楽しまれましたでしょうか?私は大阪万博に行ってみました。大屋根リングから見える景色は絶景でした!ただ、日中日差しを遮るものがないので、直射日光をくらい続けた首筋がヒリヒリ×2しています。
さて今日は、患者さんから質問の多い項目の脚のむくみについてお話しさせて頂こうと思います。「むくみ」とは、体内の余分な水分が皮下組織に溜まることで、足などが腫れぼったくなる状態を指します。医学用語では浮腫と呼びます。見た目では靴下の跡がつきやすくなったり(指で押すと圧痕ができる)、足首が太く見えたりすることがあります。
足のむくみには、様々な原因が考えられます。
- 生理的なむくみ(一過性のむくみ)
- 長時間の立ち仕事や座りっぱなしの姿勢: 重力によって水分が足に溜まりやすくなります。
- 運動不足: ふくらはぎの筋肉は、血液を心臓に戻すポンプの役割をしています。運動不足になるとこのポンプ機能が低下し、水分が滞留しやすくなります。
- 塩分の摂りすぎ: 塩分を摂りすぎると、体内の水分バランスが崩れ、むくみやすくなります。
- 水分の摂りすぎ: 過剰な水分摂取も一時的なむくみの原因となることがあります。
- 外傷によるもの
ケガをするとその修復に必要な組織修復因子を傷害された組織に血流を介して送るため、局所の血管が拡張し、血流が増加します。また、血管の壁を血液内の修復因子が通過しやすくなります。よって、血管外に血液内の成分が染み出し、損傷組織周囲にたまり、腫れる(むくむ)のです。
- 病気が原因のむくみ
- 心臓病: 心臓の機能が低下すると、血液を全身に送り出す力が弱くなり、血液が滞留してむくみを引き起こします。特に、両足のむくみが見られることが多いです。
- 腎臓病: 腎臓は体内の水分や老廃物を排出する役割を担っています。腎機能が低下すると、余分な水分が排出されずに体に溜まり、むくみが生じます。顔や手にもむくみが出ることがあります。
- 肝臓病: 肝臓は体内のタンパク質を作る重要な臓器です。肝機能が低下すると、血液中のタンパク質(アルブミンなど)が減少し、血管内の水分を保持する力が弱くなり、むくみにつながります。
- 甲状腺機能低下症: 甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、代謝が悪くなり、むくみやすくなることがあります。
- 静脈瘤・深部静脈血栓症: 足の静脈に問題があると、血液が心臓に戻りにくくなり、むくみが生じます。特に深部静脈血栓症は、片足に急な痛みや腫れを伴うことがあり、注意が必要です。
- 薬剤の副作用: 一部の降圧剤や消炎鎮痛剤など、薬剤の副作用としてむくみが生じることがあります。
- 医療機関を受診する目安
ケガでむくむ場合は、皆様もある程度経験があるでしょうし、ある種当たり前と捉えていると思います。例えば骨折後、骨がくっついてもむくみだけ残ってしまうこともよく経験されますが、外傷に伴い交感神経系の働きが低下してしまい、循環障害が残っている状況です。交感神経系の回復には時間がかかってしまうこともあるため、生活に支障がないのであれば気長にとらえて頂ければと思います。
一方、外傷のきっかけはないにも関わらず、以下のような症状が見られる場合は、むくみの原因に外傷以外の疾病が隠れている可能性も考えられます。早めに医療機関を受診しましょう。対応する診療科は内科(循環器内科、腎臓内科、内分泌代謝内科)や心臓血管外科となります。
- むくみがなかなか改善しない
- 片足だけがひどくむくむ
- 急にむくみが出始めた
- むくみとともに痛み、発熱、皮膚の色や状態の変化がある
- 息切れやだるさなど、他の症状も伴う
皆様の受診先の参考にして頂ければ幸いです。それではまた次回お会いしましょう。
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