Column
院長コラム
骨粗しょう症って?
2022年06月02日
こんにちは。
6月に入り、夜はカエルの鳴き声もよく聞こえるようになってきました。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。もうすぐ梅雨が来て、その先には夏が待っています。
体調の変化にはお気を付けください。
突然ですが・・・
今日から骨粗しょう症についてのお話をしていきたいと思います。
まず、骨粗しょう症とは?
「骨の量が少なくなり、骨を支える構造が弱くなることで骨がもろくなり、骨折の危険性が大きくなる疾患」です。
例えば、左が正常の骨、右が骨粗しょう症の骨です。
骨粗しょう症の骨は、骨の中の網目構造が大きくなって(スカスカになる)、強度が落ちてしまいます。
私たちの骨は生きている間ずっと、古い骨を吸収しながら(骨吸収)、新しい骨をつくる(骨新生)ことをくりかえし、知らない間に骨が絶えず置き換わっています。この「骨吸収」と「骨新生」のバランスが崩れ、骨吸収が骨新生を上回ってしまうと、骨の構造がそぞろになってしまい、骨粗しょう症に至ります。
骨粗しょう症になり、骨の強度が落ちてしまって、どんな症状がでるでしょうか?
普通に何事もなく生活を送っているときは、なんの症状もありません。
そのため、気づかずに過ごしている方も大勢おられます。現在日本では1300万人程度の骨粗しょう症の患者さんがおられると推計されています。
しかし、、、、
骨が丈夫であればなんともなかったような軽微な外力でも骨折をしてしまうことがあります。骨折して、痛い思いをして、初めて検査して骨粗しょう症と診断される。
ちょうど糖尿病や高血圧、高脂血症といった生活習慣病に似ていますね。なにか起こって初めて診断されるパターンです。
骨折部位で多いのは、
脊椎椎体骨折(せぼね)
大腿骨近位端骨折(股関節)
橈骨遠位端骨折(手関節)
上腕骨近位端骨折(肘関節)
です。
骨粗しょう症は何に引き起こされるのでしょうか?原因で主なものに、
- 閉経や加齢、妊娠に伴う
- なんらかの病気(腎機能障害、甲状腺や副甲状腺の機能障害、関節リウマチ、糖尿病、アルコール依存など)に伴うもの
- 薬剤の副作用(ステロイド、ヘパリン、ワーファリン、など)
があります。
では、どうやって診断するのでしょうか。
カギとなる検査は、骨密度測定であり、若年成人(20~44歳)の平均値からどれほど低下しているかで判断します(骨折の既往の有無で判定値は変わります)。
少し長くなりましたが、今日は骨粗しょう症の概略をお話ししました。
次回は、骨粗しょう症で院長が遭遇した骨折について、院長の痛い思い出を交えてお話しさせていただこうと思います。
さて、当院ではWHO(世界保健機構)や日本の骨粗鬆症診断ガイドラインでも推奨されている大腿骨と腰椎の骨塩定量が同時に可能な骨塩定量検査を導入しております。
受診当日に検査可能ですので、「転ばぬ先の杖」ではなく「骨折する前の骨密度検査」、としてお気軽にお申し付けください。