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院長コラム

構築性側弯と、もっとも多い側弯症について

2023年07月21日

皆様こんにちは!いよいよ北陸地方も梅雨明けです。夏本番がやってきました。

 

さて、前回から側弯症のお話を始めました。側弯症は大きく分けて2種類あり、1つは機能性側弯(原因を取り除けば側弯が治るもの)と、もう1つは構築性側弯と分類されることをお話ししました。

今日は、構築性側弯にはどういうものがあるかをお話しします。

 

構築性側弯とは、背骨に変形や回旋(体軸に対して回ること)を伴って生じた側弯であり、基本的には治ることがない(永続する)ものです。構築性側弯には以下のものがあげられます。

①先天性側弯症

②神経・筋原性側弯症

③胸郭性側弯症

④結合織障害や神経線維腫に伴って生じる側弯症

⑤原因不明

 

①先天性側弯症

 

背骨そのものに生まれながらの形態異常があり、正常の脊柱の発達が妨げられて曲がったものです。

②神経・筋原性側弯症

神経や筋肉の病気で脊柱を正常に支える事が出来なくなったためにまがったもので、筋ジストロフィーやミオパチー、Chiari奇形などの疾患が代表的です。

③胸郭性側弯症

幼少期に胸郭の手術(心臓・肺・横隔膜・食道など)を受けたために正常な胸郭の発達ができずに脊柱がまがったものです。

④結合織障害や神経線維腫に伴って生じる側弯症

Marfan症候群に代表される、体の結合組織が弱くなる病気に伴って脊柱の配列が乱れるものや、神経線維腫症という病気で背骨の周囲にもたくさんの腫瘍ができたために脊柱がまがるものなどがあげられます。

⑤原因不明なもの

特発性側弯症と呼ばれ、はっきりとした原因が確定されていないものです。

 

さて、これらの中で、どれが最も多いでしょうか。

実は、⑤の原因不明なもの、すなわち特発性側弯症が最も多く、全側弯症の80%を占めます。学校検診で指摘されて来られる方も、「幼少期からなにか病気があって、今回も言われました」という方よりは、「はじめてこんな風に言われたのですが」が圧倒的に多いです。

 

次回から、学校検診を受ける世代(思春期)の特発性側弯症について今わかっていることを整理していこうと思います。よろしくお願いいたします。

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